情報掲載日:2023年1月12日
《舌下免疫療法とは・・・》
スギ花粉症やダニアレルギー性鼻炎の治療法の一つに、アレルゲン免疫療法(アレルゲンエキスを繰り返し投与し、感受性を低下させる療法)があります。アレルゲンを含む治療薬を皮下に注射する「皮下免疫療法」がおこなわれてきましたが、近年治療薬を舌の下に投与する『舌下免疫療法』が登場し、自宅で服用できるようになりました。
<どんな人に適しているの?>
・アレルギー性鼻炎の症状改善のため、内服薬や点鼻薬を多く使用しているので薬を減らしたい方。
・通年を通して鼻炎の症状や内服薬で勤務中や家事、勉強などに支障をきたしている方。
・数年での妊娠は考えていないが、将来妊娠した際に服用している薬が飲めなくなった場合に不安な方。
<治療できない人もいるの?>
・5歳未満児、65歳以上の高齢者
・妊娠中(妊娠を希望されている方)・授乳中の方
・重度の気管支喘息の方
・癌や免疫系の病気の方
・ステロイド薬で治療(内服・注射)中の方
・抜歯後や口腔内手術後の方、口内炎や口の中に傷がある方
<いつでも始められるの?>
・ダニアレルギー性鼻炎の場合はいつでも開始可能です。
・スギ花粉症の場合はスギ花粉が飛んでいる時期(1月~5月)は開始することができません。
・スギ花粉が飛散する3か月以上前から治療を開始すると効果的です。
<治療の効果は?>
・アレルギー症状(くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ等)の改善(60%)
・アレルギー治療薬の減量
・生活の質の改善
<副作用は?>
・舌下免疫療法の副作用に伴う死亡例の報告はありません。
・口内炎、舌の下の腫れ、口腔内の腫れ・かゆみ
<診察・治療はどんな流れ?>
1,初回・・問診、診察、アレルギー血液検査
2,1週間~4週間後・・問診(Web問診)
診察、検査結果説明、1回目舌下内服(内服前に同意書にサインをお願いいたします。)
院内にて30分間待機、アナフィラキシーの確認
異常なければ6日間(ご自宅で舌下内服)のお薬を処方致します。
3,1週間後・・問診(Web問診副作用の確認)前回診察からお変わりなければお薬を増量して処方いたします。
4,その後4週ごとの通院となります。
<スギとダニの両方の治療はできるの?>
・両方の治療は可能です。
・どちらかの治療を先に始め、1か月後もう一つの治療を開始します。
・同時の舌下服用ではなく5分間あけて服用します。
<舌下内服ってどうするの?>
・1日1回(起床時を推奨)舌の下に免疫治療薬の舌下錠を置きます。
・1分間含んでおき、その後飲み込みます。
・服用後5分間はうがい、飲食を避けます。
・服用の前後2時間程度は激しい運動・入浴等(血圧や血流の変動を伴うような行動)を避ける必要があります
<どのくらいの治療になるの?>
・一般的に舌下免疫療法は3~5年間、治療を継続することが推奨されています。
・アレルギー症状の治癒(症状が消失する)や寛解(症状が楽になる)が得られたら、いったん治療を終了することになりますが、治療を終了すると、効果が減弱して将来的にまた症状が再燃することもあり得ます。
・治療の中断・終了は自分で判断せず、医師にご相談ください。
※参考資料:アレルゲン舌下療法ナビ(鳥居薬品)